◆外国人教育 幅広く支援 伊勢崎の中村さんNPO設立◆ |
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外国人の子どもや大人への日本語指導を見守る中村マイケルさん(右)=伊勢崎市で 外国人の子どもの教育支援に二十年以上取り組んできた伊勢崎市の中村マイケルさん(43)が、NPO法人外国人教育支援友の会(同市日乃出町)を設立し新たな活動に乗り出した。授業料が払えない子どもへの奨学金や志を同じくする各地の外国人支援者のサポートを目指す。 (伊藤弘喜) 外交官だった父の赴任先のボリビアで生まれ、ブラジルで育った中村さん。外国でも覚えられやすいようにと「実佳恵留(マイケル)」と命名された。 小学三年で伊勢崎市内の小学校に転入したが授業に付いていくので精いっぱいだった。「日本で苦労している外国人の子どもたちの気持ちはよく分かる」 高校生のころから、退官した父の外国人支援ボランティアを手伝うように。社会人になった後も派遣会社で働いたり、イベント会社を経営する傍ら、各地で外国人の子どもを支援してきた。 昨年十二月からは県の受託事業で、いじめに遭ったり、授業についていけなかったりして不登校になった日本語の力が不十分な子どもの勉学を支援。これまでブラジルやペルー、フィリピンの小中高生ら五十人が通った。 中には学校の授業料が払えない子どもも少なくない。現状では在日外国人に特化した奨学金はない。経済的な支援を展開するため、今年五月にNPO法人を設立した。 会費や寄付を募り、それを原資に奨学金やボランティア養成講座を展開する構想だが、会員は十五人にとどまる。何とか資金をかき集め、四月から毎月一万五千円の奨学金をブラジル人の中学二年男子に給付。授業料滞納で不登校だったこの生徒は一年ぶりに学校に通い始めた。 国や自治体などの公的な助成が先細りになる中、各地で外国人支援に取り組む団体を支える必要性も痛感する。「実情にあった民間の助成システムをつくりたい」 活動を支えるのは元教員などのボランティアだが、人出も資金もまだまだ足りない。中村さんは「教育を通じて外国人の暮らしが向上すれば日本全体がよくなるはず」と協力を呼び掛ける。問い合わせは中村さん=電090(5344)5028=へ。 |
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東京新聞 2012年8月30日 | ||
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